はじめまして! Webライターの中村と申します。私は不動産特化型のWebライターであり、最近ではKindle編集なんかも手がけています。
突然ですが……今回は、私中村が株式会社グラウンドの代表である鈴木さんにインタビューをさせてもらいました。テーマは「Web集客」と「ファン化」についてです。
そのインタビュー記事を皆さまにお届けします!
なぜそんな話になったかと言うと……縁あって鈴木さんとお話しする機会があり、そのときに聞いた「Web集客の手法」と「見込み客をファンに引き上げる方法」の話がすごく面白かったんですよ。一応ぼくも、マンションディベローパー出身の不動産ライターの端くれなので、ぜひ記事にしたいなと……!
その旨を鈴木さんに相談したところ「インタビュー形式でうちの会社ブログに書きますか?」と言って頂き、今に至ります。
今回のインタビューでは、鈴木さんに以下を聞いてきました!
・既存の不動産ビジネスの問題点とは?
・見込み客を自ら確保する方法とは?(Web集客について)
・見込み客をファンに引き上げる方法とは?
「Web集客」と聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、その辺りも鈴木さんが丁寧に説明してくれています。不動産会社の方ならヒントになることが満載なので、ぜひ最後まで読んでみて下さい!
※最後に特別なお知らせも用意しております!
既存ビジネスの問題点
中村(以下、中):鈴木さん、先日は色々と興味深いお話しを聞かせて頂きありがとうございました。本日も色々聞かせてください!
鈴木(以下、鈴):はい。よろしくお願いします。
中:さっそくですが……先日おっしゃっていた「Web集客」の話と「ファン化」の話を詳しく聞かせてもらえますか? まずはWeb集客からお願いします。
鈴:いえ、その前に既存のビジネスモデルの問題点から話しましょうか(笑)そちらから話した方が、Web集客とファン化の話が理解しやすいと思います。
ここで言う「既存のビジネスモデル」とは、一括査定サイトで売り物件を見つけてSUUMOを利用して集客する……といったビジネスモデルですね。言い換えると、売り物件の獲得も見込み客の集客も、プラットフォームを利用している会社のことです。
中:なるほど! 分かりました。ではまず、既存のビジネスモデルの問題点から聞かせてください。
自社で顧客を獲得できない
鈴:既存のビジネスモデルを踏襲している不動産会社が抱えてる問題点は、大きく分けて2つあると思っています。1つ目は「自社で顧客を獲得できない」こと、2つ目は「見込み客を追客しにくい」ことです。
中:「自社で顧客を獲得できない」とは、どういうことでしょうか?
鈴:主に一括査定サイト経由で売り物件を確保している会社さんのことですね。言い換えると、自分から顧客(売却検討者)を取りにいくのではなく、一括査定サイトのようなプラットフォームを利用しているということです。
ただこれは、売却検討者だけでなく購入検討者に対しても同じことが言えます。つまり、ここでいう顧客とは「家を売却したい人」と「家を購入したい人」の両方です。
中:なるほど! 売却検討者と購入検討者を自社で獲得できず、プラットフォームに頼っている状態が危険……ということですね。
鈴:その通りです。ただ話がちょっとややこしくなるので、ここでは「売却検討者を自社で獲得できない」という話に絞りますね。
話を戻します。一括査定サイトは売主からすると便利なんですが、不動産会社からするとデメリットもあるんですよ。
中:へ~ちょっと意外です。実はぼくも、自分のマンションを売るときに一括査定サイトを利用しました。結局知人の不動産会社に依頼したものの、何となく「とりあえず一括査定サイトを利用しよう」という感じでしたね。
一括査定サイトの問題点
鈴:そうなんです。恐らく多くのユーザーが、「とりあえず」という気持ちで一括査定サイトを利用すると思います。
言い換えると、そこまで売る気がない人も一括査定サイトを利用するということです。「いくらで売れるか知りたいから、とりあえず査定依頼してみました」のような感じですね。つまり、検討度合いがさほど高くない場合もあるんですよ。
中:なるほど! 確かに一括査定サイトは気軽に使われるイメージがあります。でもよく考えたら「自分の家を売る」という前提で使うサービスなので、本来は気軽に利用するものではない気もしますね。
そういえば、一括査定サイトってどのような仕組みなんですか? 査定依頼を受けるごとに不動産会社が一括査定サイト側に紹介料を支払う仕組みでしょうか?
鈴:はい、その通りです。サイトによって異なるものの、ざっくり言うと「査定依頼を1件受けたら、不動産会社が一括査定サイト側へ1~1.5万円を支払う」という仕組みです。
中:一括査定サイト経由で机上査定をした後、訪問査定までつながる確率はどのくらいですか?
鈴:私の感覚だと10件に1~2件くらいですね。
中:なるほど。そのくらいなんですね。
……ん? ということは媒介契約を結べる件数はもっと少ないということですよね?
鈴:その通りです。一概には言えませんが……訪問査定から媒介契約につながるのは、5件に1件ほど。つまり机上査定を50件したら、1~2件が媒介契約につながるイメージです。
先ほど言ったように、査定依頼1件につき1~1.5万円の支払いになるので、媒介契約を1件取るために50~75万円支払っています。費用対効果は少し悪いかなという印象です。
中:なるほど。一括査定サイトを経由すると、費用対効果が悪くなることもあるんですね。
鈴:もちろんケースバイケースなので、もっと安く抑えられることもあります。ただ事実として、一括査定サイトは費用対効果が悪いケースが多いため、それだけに頼るのは危険なんですよ。
理想は自社で顧客を獲得する仕組みをつくること。この辺りは、割と多くの不動産会社が同意してくれるはずです。
アナログな集客方法も成果は落ちている
中:最近の不動産会社は一括査定サイトでしか集客しないのでしょうか? ぼくがマンデベにいた頃(2016年頃)はチラシを投函したり、DMを送ったりしていたのですが……。
鈴:今でも、チラシをまいたりDMを送ったりする会社は多いです。大半の不動産会社がFAXを使っていますしね。もちろん、そのようなアナログな集客方法で効果が出ている会社もありますが、時代の流れと共にその効果もどんどん薄れてくると思います。
中:確かにそうですね。今は昔と違って、情報が欲しければWeb検索したりSNSで検索したりしますよね。自分の家を売りたい、買いたいと思っている人も同じ行動をするはず。
鈴:みんなそうなんですよ。だからこそ、一括査定サイトやアナログなやり方以外の集客方法も模索すべき。でも多くの不動産会社はやらない。ここが既存のビジネスモデルの大きな問題点です。
見込み客を追客しにくい
中:分かりました。では、もう1つの問題点である「見込み客を追客しにくい」について詳しく教えてください。
鈴:これはそのままの意味で、現状のやり方だと見込み客を追客しにくいです。ここでいう見込み客とは、主に「購入検討者」のことですね。追客しにくい理由は、SUUMOに頼っているからです。
ちなみにこの話は、先ほどの「自社で顧客を獲得できない」ともつながりますね。つまり、購入検討者の集客をSUUMOに頼っているため、なかなか自社で検討者を獲得できないということです。
中:一般的にはSUUMO経由で購入検討者を集めるのでしょうか?
鈴:はい、売り物件をSUUMOに掲載して、あとは購入検討者からの連絡を待つというのが一般的です。検討者から連絡が来たら、現地案内の日程調整をするという流れですね。
しかし、この流れだと見込み客と信頼関係を構築しにくい。現地を案内するのは、せいぜい1時間くらいなので、その短い時間で自分たちを信用してもらうのは難しいからです。実際、現地で解散してそのまま追客できず……という状況が多いと思います。
中:事務所で話をしてから現地に行き、再び事務所へ戻るという流れはないんでしょうか?
鈴:その流れもあります。でもそれは顧客が望んでいることではないと思います。
顧客としては「早く物件を見たい!」と思っていますよね。それなのに、わざわざ不動産会社の事務所へ行ってから現地を見て、また事務所へ戻る。これって普通に考えたら嫌ですよね。
あとはコロナウイルスの影響で、「同じ車に乗らない」「顧客を事務所へ呼ばない」という方針に変わった不動産会社もあります。つまり顧客との接点はどんどん少なくなっているんですよ。
中:確かに……。この辺りは、後ほど詳しくお聞きする「ファン化」の話とつながりそうなので、一旦この辺にしておきます!
直接営業をして見込み客を自ら確保(Webを使った集客戦略)
中:先ほど「既存ビジネスの問題点」を伺ったので……次はいよいよ本題に移ります。「Web集客」と「ファン化」の話を聞かせてください! まずはWeb集客からお願いします。
鈴:はい、分かりました。先ほど言ったように一括査定サイトに頼り過ぎたり、チラシやDMなどのアナログな集客方法に依存し過ぎたりするのは、これからの時代を考えるとリスクが大きくなると思います。言い換えると、見込み客は自ら確保する必要があるのです。
私の会社では、まずリスティング広告を利用して自社のLPへ誘導します。そのLPから直接連絡をもらうという流れですね。このような流れを作れれば、外部サービスに頼らず自社の力で見込み客を獲得できます。
リスティング広告とは?
中:すみません……分からない用語がたくさん出てきたので混乱しています(笑)まずは、リスティング広告について詳しく教えてください。
鈴:リスティング広告とは、Googleの検索画面の上部に露出する広告のことですね。たとえば「マンション 売却」というキーワードで検索すると、このような画面になります。赤枠部分がリスティング広告です。
中:なるほど! 思いっきり「広告」と表記されていますが、全然気づかなかったです(笑)
鈴:リスティング広告を出稿すると、自社のサイトが検索画面の目立つ場所に表示されるため、ユーザーからクリックされやすいんですよ。だからお金を出して広告を出稿するというわけですね。
この画像は「マンション 売却」というキーワードでリスティング広告を出稿していますが、キーワードは自分で指定できます。つまり、狙いたいキーワードを自社で指定して広告を出稿できるという仕組みです。
中:広告料はどのくらいなんですか?
鈴:狙うキーワードやクリックされた数によって、広告料は異なりますね。ただ、あらかじめ自分が決めた予算内に収まる仕組みになっているので、気づいたら何百万円も広告料を支払っていた……みたいな状況にはなりません。
中:なるほど! その点は安心ですね。でも……設定とか難しそうですね。
鈴:Web検索すれば「リスティング広告の出稿方法」の情報は色々出てくるので、調べながらやれば誰でもできると思います。もし出稿作業が面倒な場合は、運用代行業者さんに依頼もできます。うちは業者さんに依頼しているので、私が作業することはほとんどありません。
LPとは?
中:次にLPについても触れておきたいです! いわゆるランディングページのことですよね?
鈴:そうです。サービスや商品を紹介している縦長サイトのことですね。弊社のLPはこんな感じです。
中:LPを見れば、その会社の事業モデルや仕組み、連絡先などが分かるということですね。リスティング広告と、このLPをリンクさせるということですか?
鈴:その通りです。たとえば、先ほど例に挙げたように「マンション 売却」というキーワードを指定してリスティング広告を出稿したとします。その場合、先ほどもお見せした以下(赤枠)部分をクリックすると出稿者の指定したLP(サイト)に飛びます。
つまり「マンション 売却」と検索した人に、直接自社のサイトを見せることができるんですよ。
中:あっなるほど! 自分(広告の出稿主)が指定したLPやサイトに飛ばせるんですね。この流れならプラットフォームの力ではなく、自社の力で顧客を集客できるというわけですね。ちなみにLPはどのように作ったんですか?
鈴:私は知人のWebデザイナーに依頼しました。デザイナーの腕が悪いと悲惨なLPになるので、それは絶対に避けなければいけません。LPがイマイチなら、誰も問い合わせてくれませんからね。
中:それは悲惨な状況……。せっかくリスティング広告にお金をかけても、問い合わせが来なければ意味ないですよね。
鈴:実際にあった話なのですが……ある会社さんが「このLP(弊社グラウンドのLP)を見本に同じようなLPを作って欲しい」と、クラウドソーシングでWebデザイナーを募集していました。でも、あまり腕のいいデザイナーではなかったらしく、完成したLPを見たらなかなか粗い仕上がりでしたね(笑)
うちのLPをマネるのは構いませんが、クオリティの高いものに仕上げないと集客できないので、その点は要注意です。
中:ありがとうございます! 今回の話でリスティング広告からLPへ集客する仕組みを理解できました。確かにこの方法なら、外部サービスやプラットフォームに頼らず、自ら顧客を獲得できますね。
鈴:はい。一点付け加えると、自分でキーワードを指定しているので、自社が狙っている顧客へ直接アプローチできるんですよ。つまり成約率の高い顧客を獲得しやすい。この点も、リスティング広告とLPを使ったWeb集客のポイントですね。
ファン化させることで全てが解消する
中:では次に「見込み客をファンに引き上げる方法」について教えてください。
鈴:はい。分かりました。先ほど言ったように、既存のビジネスモデルを踏襲している不動産会社が抱えてる問題点は、「自社で顧客を獲得できない」ことと「見込み客を追客しにくい」ことでしたね。
1つ目の「自社で顧客を獲得できない」という点の解消方法は先ほど解説した通りです。もう一つの「見込み客を追客しにくい」という点を解消する方法が「ファン化」の話につながります。
中:ファン化させるとは「会社を好きになってもらう」とか、そういう意味でしょうか?
鈴:それもありますが、どちらかと言うと「人」にファンを付けるイメージですね。要するに「株式会社グラウンドの鈴木」にファンを付けるということ。そうすれば顧客との信頼関係が構築できて追客しやすいんですよ。
ファン化させる方法
中:なるほど。とはいえ自分のファンになってもらうのは難しいと思うのですが……具体的な方法を教えてください!
鈴:簡単に言うと「発信活動」ですね。自分のことを発信して、相手に自分を知ってもらいます。たとえば、弊社では社員が日報を書いています。そういう発信活動をしてお客様に自分達のことを知ってもらう。これが重要なんですよ。
日報の効果
中:日報ですか……! ちょっと意外な答えでした。日報を毎日書いて公開している不動産会社はあまりないですよね?
鈴:そうですね。ただ私は、全ての不動産会社の社員が日報を書いた方がいいと思っています。これはずっと言い続けているのですが……なかなか伝わらないんですよね(笑)
中:ぼくもマンションディベロッパーにいた時代に「日報を書こう!」と言われたら、ちょっと抵抗があったかもしれません(笑)
鈴:気持ちは分かります。でも実際効果があるんですよ。たとえば弊社の社員である前川の話。彼女は毎日日報を書いていたことで、立ち会いときにお客様から「前川さんの日報を見てます!」と言われていました。
「発信活動」をきちんとやっていれば、こういうことは結構あるんですよね。
中:お~すごい! 立ち会いのときにお客様が自分のことを知っていると、距離が縮まりそうですね。
鈴:そうなんですよ。先に日報を見てもらえると「株式会社グラウンドの営業スタッフ」ではなく、「株式会社グラウンドの前川さん」としてお客様が認知してくれているんです。現場で「はじめまして!」という状況よりも遥かに話しやすいですね。
中:確かにそうですよね。でも全員が日報を見ているわけではないですよね?
鈴:そうですね。ただ弊社では、現場案内に行く前には必ず「明日は○○(営業スタッフの名前)がお伺いします」と、会社のプロフィールページをお客様にお送りします。このページをチラッと見てくれているだけでも、お客様との距離感は全然違いますね。
日報の書き方
中:日報ということは……基本的に毎日書くんですよね? 正直かなり大変そうです(笑)
鈴:実はそこまで大変ではないんですよ。確かに「日報を始めてみたものの続かない」というケースは多いのですが、仕組みを作れば割と継続できますよ。
継続するためには以下の手順で日報を書くことです。
①その日に行ったことを箇条書きにする
②テーマを選ぶ
③見出しを決める(2つ)
④内容を書く(400字前後)
⑤記事のタイトルを決める
詳細は省きますが、色々やってみてこの方法なら継続しやすいと分かりました。文字数も原稿用紙1枚分(400字)。毎日3~4本ツイートするくらいの文量ですね。
中:確かにツイート3~4本くらいなら続けられそうですね!
鈴:中村さんもやりますか?(笑)ちなみに日報を書くコツは他にも色々あるので、詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
初対面での親近感が上がる
中:先ほどおっしゃっていた通り、お客様が自分のことを知っている状況なら、初めて会うときの親近感は高まりそうですね。
鈴:そうなんですよ。購入検討者の現地案内はもちろん、これは売却検討者にも同じことが言えますね。たとえば一括査定サイト経由で査定依頼が来たとき、査定書に「自分のプロフィールページ」や「日報」を添えて検討者の方へ送ったとします。
そうすれば、自分のプロフィールや日々の業務内容を知ってもらえるので、売却検討者も親近感を覚えます。そうなれば訪問査定につながる可能性も上がりますし、訪問査定時も話しやすいですよね。
中:確かに……! ぼくも一括査定経由で不動産会社へ訪問査定を依頼したとき、どんな人が来るんだろう? とちょっとドキドキした記憶があります。
鈴:そうなんですよ。お客様はみんな同じ気持ちだと思います。だからこそ、日報やプロフィールぺージでスタッフを紹介しておけば、売却検討者も安心できるというわけです。
追客しやすい
中:日報やプロフィールページを作ることで、購入検討者も売却検討者も親近感を覚えることは分かりました。その親近感が「追客しやすい」という点につながるとういうわけですね?
鈴:その通りです。分かりやすい例を挙げると……たとえば購入検討者と現地で会ったとしましょう。小一時間ほど話した結果、その物件の検討は見合わせるという結論になり現地で解散。この状況で、購入検討者からまた連絡が来ると思いますか?
中:う~ん。担当者との距離感によるかなという感じですね。
鈴:そうなんですよ。言ってしまえば、購入検討者は「物件を紹介してくれれば誰でもいい」というのが本音。仮に誰でも紹介できる物件なら、わざわざグラウンドの鈴木に相談する必要はありません。
なので、現地案内した物件を検討しないのであれば、お客様と営業スタッフの関係はそれで終わり……というケースも多いです。
中:確かに。お客様からしたら、物件を紹介してくれさえすれば別に誰でもいいですもんね。
自分のことを認知してもらう
鈴:でも日報とかプロフィールページを事前に見てもらえば、お客様との距離を縮めやすいんです。「物件を紹介する人」ではなく「株式会社グラウンドの鈴木」として信頼されやすいため、その後も物件に関して相談されます。
現地で解散した後に「先日はご案内ありがとうございました。あの後、色々と物件を探した結果○○という物件が気になっているのですが……鈴木さんのところで仲介してもらえるんですか?」のような問い合わせは多いです。
中:なるほど。物件を紹介してくれる営業スタッフではなく、信頼のおける不動産営業スタッフという認識になるんですね。で、日報やプロフィールページで自分を知ってもらうことで、その状況になりやすいと。
お客様は現地解散後に調べている
中:ちなみに、お客様の都合で日報やプロフィールページを事前に見てもらえなった場合は、やっぱり現場で関係性を構築するしかないんですか?
鈴:現場で信頼関係を構築しつつも、解散した後にプロフィールページや日報を見てもらえるように促すことが大事です。
中:「会社のホームページ見ておいてください」と口頭で紹介するんですか?
鈴:口頭で説明しつつ、名刺にQRコードを仕込んでおき、読み取ればプロフィールページや日報に飛ぶようにしておく方法も効果的です。そうすれば、恐らく現地で解散した後に調べてくれると思います。
先ほど言ったように、コロナウイルスの影響で「同じ車に乗らない」「顧客を事務所へ呼ばない」という方針に変わった不動産会社もありますからね。顧客との接点はどんどん少なくなっている今、そういう取り組みが重要になってくるでしょう。
中:なるほど! 確かに現地で会った営業スタッフはどんな人か知っておきたいですね。不動産は高額な商品だからこそ、どんな人か見ておきたいです。
追客メールにも「人」を出す
中:追客するときの工夫はほかにありますか?
鈴:追客メールを送るときにも「人」を出すことですね。日報やプロフィールページと同じく、目的はお客様に親近感を覚えてもらうことです。割と多いパターンは、購入検討者には物件情報をひたすら送り、売却検討者にはそもそもあまり追客メールを送らないパターン。
中:確かに、ぼくもマンデベ時代、購入検討者には物件情報をひたすら送っていました。
鈴:もちろんそういうメールを送ってもいいのですが、それに加えて「人」の部分を伝えることが重要なんですよ。プロフィールページや日報をメールの最後に添えてあげるだけで、お客様の印象は全然変わります。
たとえば他社と媒介契約を結んだお客様がいたとします。もちろん他社から横取りするのはダメなので、そういう内容のメールを送るのはNGです。でも「一度お問い合わせを頂いたお客様へ一斉に送るメール」なら送付して問題ありません。
中:他社と媒介契約を結んだお客様へメールを送るんですか? 正直あまり意味がないような気がするのですが……。
鈴:仮に売却が上手くいかなくて、お客様が”媒介契約を結んだ不動産会社”に不満があったらどうでしょうか? 媒介契約が切れる時期には「どこか別の不動産会社にしよう」と、新たな不動産会社を探しているかもしれません。
そのときに「人」の部分を添えながらメールを送り続けていたら、「そういえばあの不動産会社はスタッフの顔も出ていたし良さそうだな」と思ってもらえるかもしれませんよね。
中:なるほど! 確かにそうですね。機械的なメールだと微妙ですが、そこにスタッフの人柄などが分かる要素を盛り込んでいれば、お客様の安心して相談してくれそうです。
最後に
中:鈴木さん……もっとたくさん聞きたいのですが、ちょっと時間が迫っているので今回はこの辺で。
鈴:そうですね。実はまだ半分も話せていないのですが(笑)
中:いや、それでもかなり濃い話が聞けました。できれば、ぼくがマンションディベロッパーにいた時代に聞きたかったです(笑)簡単に本日の話をまとめてもらえますか?
鈴:はい。まずは既存のビジネスモデルを踏襲している不動産会社が抱えてる問題点について話しましたね。1つ目は「自社で顧客を獲得できない」こと、2つ目は「見込み客を追客しにくい」こと。
中:そうですね。で、自社で顧客を獲得できないことへ解消方法は「Web集客」だと解説して頂きました。
鈴:具体的には、自社のLPを作ってリスティング広告を利用して集客する方法ですね。そうすれば、プラットフォーム頼りの集客方法から脱却できます。
中:もう一つの問題点である「見込み客を追客しにくい」という点についての対策は、「ファン化させること」と解説して頂きました。
鈴:日報とプロフィールページを作り、お客様に自分達のことをよく知ってもらう。それを追客メールに添えることで、お客様にアプローチしやすくなる。この辺りをお話ししましたね。
中:はい、ありがとうございました! とはいえ……まだまだお聞きしたい話がありますので、次回に持ち越してもいいでしょうか? 鈴木さんの会社でやられているゼロ仲介の仕組みとか、ファン化を加速させる話とか。その辺りを聞かせてください!
鈴:分かりました。では次回は弊社のビジネスモデルの仕組みなどについてお話しします。本日はありがとうございました。
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